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1月11日のまにら新聞から

資金力が左右するのか  次期大統領選

[ 721字|2016.1.11|政治 (politics)|新聞論調 ]

 調査会社によると、選挙に最も費用を投じているのはロハス前内務自治長官だそうだ。市場動向調査会社のニールセンによると、テレビ、ラジオなどの広告にロハス前長官が使った費用は7億7400万ペソ。ビナイ副大統領は6億9500万ペソ、ポー上院議員6億9400万ペソで、ドゥテルテ・ダバオ市長はわずか1億2900万ペソにとどまっている。

 選挙戦略では、広告に費用をかけることが決まり切った手段だから、5月9日の投開票日が近づくと、ますますその経費は上がっていくだろう。しかし、ある専門家に言わせれば、選挙で重要なことは、そこにかけた資源の量ではなく、候補者自体の質だという。高価な包装を施したからといって、商品が飛ぶように売れるわけではない。

 アキノ政権がすべての資金をつぎ込んでも、ロハス前長官の支持率は3番手止まり。前長官を当選可能な候補に育てるには、もっと資金が必要だ。

 ただ、私は別に選挙戦にかける経費をもっと低くしろと言いたいわけではない。いつも選挙の年は経済を活性化させるからだ。

 選挙資金は候補者自身から出ているのではない。候補者の選挙資金の大半が、候補者を支持する資産家から寄付されていることは論を待たない。彼らは候補者が当選した時の見返りを期待しているのだ。より当選に近い候補者が、より多くの寄付を集めることができる。ロハス前長官のように、政府の力を利用できる場合は別だが。

 候補者に求められるのはいつでも、資金力とその資金を集める能力だ。そこでは候補者の適正や誠実さ、美徳は忘れ去られる。適正や美徳は、候補者の広告から読みとれるが、結局はその広告にもお金がかかるのだ。(6日・スタンダード、ジョジョ・ロブレス氏)

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