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1月14日のまにら新聞から

期待はしない

[ 703字|2013.1.14|政治 (politics)|新聞論調 ]

銃規制の強化

 銃規制が持ち上がった。当局は恐らく、銃器所持の許可証の発行や銃器登録の記録管理を厳格にする。関税局は密輸の摘発に力を入れるだろう。しかし、私はあまり期待していない。国民も2010年の就任時に銃器22丁を持っていたアキノ大統領の下で、できると思っていない。

 我が国は、民間人が所持できる銃器の総数を行政命令で制限している。ところが、例外がある。特に影響力があり、コネがあれば、自宅に小規模な武器庫を合法的に持てる。

 銃器登録の方法は、当局の前で銃を複数回試射し、少なくとも空薬きょうと弾丸1個を、置いていかなければならない。犯罪に使われた銃器の追跡に有効だからだ。その際、個人情報も提出しなければならない。

 銃器の許可証を得ようとする人はこう考えるだろう。「個人情報は、更新の際に新しくしなければならない。更新手数料も高い。野放し銃はすぐに手に入る」。国軍や警察が押収した銃器は、市中に流れる。

 フィリピンでは、銃器産業が活況を呈している。正規の輸入業者や密輸業者もあり、ビサヤ地方セブ州ダナオ市には銃器の密造工場まである。

 沿岸警備隊は2009年8月、ルソン地方バタアン州沖で、木箱に入ったライフル銃54丁を積む貨物船を摘発した。拘束した37人のうち、外国人は18人。その後、フィリピンの港が、東南アジアで製造した銃器の積み替えに使われていたと分かった。

 ミンダナオ地方マギンダナオ州では2009年、大量虐殺事件が起きた。その後、アンパトゥアン一族邸宅から木箱に入った大量の銃器が見つかった。この事件を機に、銃規制を強化すべきだった。(7日・スター、アナマリー・パミントゥアン氏)

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