立場明示せよ
アキノ氏の農園問題
中部ルソン高速道建設事業に関連して、故アキノ元大統領の実家コファンコ家所有のルイシタ大農園が、政府から同農園専用の出入口設置(工費1億7千万ペソ)を取り付け、土地使用料8千万ペソも受領したことが明らかになった。次期大統領選への立候補を表明したアキノ上院議員は親族として、同農園絡みの疑惑解明に着手すべきだ。
現政権の過去9年間の略奪行為を経験した国民は、次期政権に腐敗政治の浄化を期待する。次期大統領には誘惑を払しょくする強い意志を持つ人物が必要なのだ。
誠実、高潔。同議員支持派のエリート層は大統領の資質を備えていると主張する。大幅に水増しされた事業を支持し、実家に通じる出入口設置を要求し、使用料も受け取る。支持者たちはこれを透明性が高く、公共性もあると納得するだろうか。
次期大統領選候補に名乗りを挙げているビリヤール上院議員は幹線道C5の二重計上問題で、上院聴聞会で決着を付ける意向だ。
下院聴聞会によると、同高速道建設事業では同出入口設置など当初計画からの変更で工費は120億ペソ水増しされた。同家に払われた土地使用料も、市場価格の10倍に膨張した。母親が着手した対農民株式分配事業で同農園株32・5%を取得した小作人に土地使用料は渡っていない。アキノ陣営は5年前の農民虐殺事件を含む同農園絡みの疑惑を政治宣伝と切り捨てる。同議員の支持基盤が両親の功績でしかない中、自身の立場を明確にし、判断材料を提供すべきだ。
歴代の大統領は破壊的な政治力で不正疑惑を潰してきた。アキノ議員も同じ道を進むのだろうか。(13日・トリビューン)