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2月19日のまにら新聞から

政策なき候補選び

[ 694字|2001.2.19|政治 (politics)|新聞論調 ]

5月の上院選挙

 五月十四日投票の上院選挙は、新政権の基盤強化を狙う与党連合「ピープルパワー連合」対エストラダ前大統領を支持する「民主の戦い」など野党勢力との一騎打ちとなる。

 今回の選挙は善と悪の戦いと言える。有権者は腐敗した前大統領の支持者か、前大統領を辞任に追い込んだ者かを選ぶかの決断を迫られている。エドサでおこなわれた集会と同様、国政に自分の意見を反映させることが出来る。

 前大統領派からは、弾劾裁判で証拠書類開示に反対した上院議員十一人のうち三人が立候補。ロイ前大統領夫人が事実上率いる野党候補者にに投票する者は、悪を容認することを意味する。国民への裏切りを重ねた大統領を辞任へと追い込んだ人々を馬鹿にする行為だ。

 「ピープルパワー」のアキノ元大統領は一九八八年の上院選で勝利した。アロヨ大統領には当時のような国民の支持はないが、選挙では勝利を収めることが出来るだろう。

 しかし一方で、与党側の候補者選定にも問題がある。古株の政治家ばかりで新人候補は少ない。アロヨ大統領は就任宣誓で「新しい政治」を呼び掛けたが、今回の与党陣営の顔ぶれを見る限りでは、改革が実行できるかは疑問だ。

 選挙での勝利だけを目的とした候補者選定は、上院議員が国民の代表であるという意識を失わせてしまうことになるだろう。

 与党公認の候補者は全国に支持基盤を持っている。全国各地でくまなく票を集めようとする党の姿勢は理解できる。

 だが、今回も個人の知名度、資金力頼りの選挙だ。旧態依然の「政策なき戦い」と言える。与党が政策中心に候補者を選べば、国政選挙の在り方も自ずと変わるはずだ。(14日・インクワイアラー)

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