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2月19日のまにら新聞から

犯罪増加にどう対処

[ 672字|2001.2.19|社会 (society)|新聞論調 ]

警察の信頼回復

 銀行強盗がまた発生した。今度はリサール州アンティポロ市だ。アロヨ政権発足以来、中国人社会では、誘拐事件が増加していると言われている。車の盗難事件も増加しているとされる。

 この犯罪増加の原因をめぐり警官の間では様々な説が飛び交っている。一つは政権の変わり目で国家警察内の人事異動が行われているからという説。この時期は犯罪者にとっては好機なのだろう。  

 しかし、警官としてプロ意識があるのなら、たとえ現在の地位が臨時のものであろうと何であろうと、犯罪を全力で取り締まらなければならない。

 もう一つは、銀行強盗や誘拐事件が多発するのは選挙前だからという説。この時期はクリスマスシーズンと同じようには世の中で大きな金が動く。この時期に選挙資金を得るため私兵を抱えている政治家が、犯罪を起こさないないように監視するべきだ。

 一般的に、国会議員に立候補し選挙運動を行うとには最低でも三千万ペソが必要といわれている。このため、候補者は後援者らから選挙資金を提供してもらうことが多いが、全国の何千もの候補者全員が、スムーズに資金提供を受けることが出来るとは考えにくい。 

 最後は、アロヨ新政権発足に伴って刷新された国家警察体制に反発する者がよる犯罪を起こしているという説だ。

 また、最近になって警察の前上層部がかかわった犯罪が発覚し始めているという。

 しかし、どの説が正しかろうと、警察の新上層部がやるべきことは、犯罪者の検挙と、国民の生命と財産を保護することだ。国民の信頼を回復する唯一の方法は職務に忠実であることである。(14日・スター)

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