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10月16日のまにら新聞から

「2面作戦」狙う野党

[ 627字|2000.10.16|政治 (politics)|新聞論調 ]

違法賭博収益金疑惑

エストラダ政権は最悪の事態に直面していると言っていい。ペソは市場最安値を更新し続け、一部には一ドル‖五十二ペソまで落ち込むとの予測も出ている。原油価格は急騰し、ミンダナオ問題はいまだ未解決のままだ。こんな時期に、南イロコス州のシンソン知事が違法賭博(とばく)疑惑を暴露したことは、まさに「泣き面にハチ」だった。

 暴露の直後から、政府は大きなハンディキャップを背負った。マスコミの世論調査では、「疑惑を信じる」と回答した市民が過半数を超え、知事はシン枢機卿やラモス前大統領、そしてマスコミなど心強い味方を得た。

 ただ、政治家による知事支援は、知事自身のハンディキャップになり得ることを忘れてはならない。テレビ中継で大げさに知事を応援している政治家が来年五月の上院選に出馬したらどうか。これこそ、党利党略のために疑惑を暴露した、との責めを受けるだろう。

 知事はいまだ、疑惑を裏付ける確固とした証拠を何一つ提示していない。ただ、「暴露することが他にもある」と言う。現政権にとって危険なことは、知事が暴露の時機を遅らせ、疑惑をめぐる動きが来年の上下院選前まで続くことだ。

 大統領に辞任を迫っているシン枢機卿らは、①即時辞任②次期上下院選での与党敗北︱︱という「二面作戦」を狙っている。与党敗北は大統領弾劾にもつながる。弾劾が実現しない場合も、野党は攻勢を強め、政府は守勢に回ることを余儀なくされるだろう。(13日・インクワイアラー、ジェリー・バリカン氏)

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