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9月25日のまにら新聞から

住民巻き添えを止めよ

[ 640字|2000.9.25|政治 (politics)|新聞論調 ]

ホロ島人質救出作戦

 フランス人ジャーナリストの人質二人がこのほど無事に保護され、アブサヤフに拘束されている人質救出作戦を国軍に命じたエストラダ大統領に、「作戦成功」を宣言する格好の理由を与えた。

 先週の十六日、誘拐と身代金の要求を続けるアブサヤフに対し、大統領は人質解放交渉を中止し、国軍に救出作戦を命じた。アブサヤフ側がマレーシア領のリゾート地からマレーシア人三人を再び誘拐した数日後のことだった。作戦に伴う攻撃でしばらくはアブサヤフ側の死者数や逮捕者数が報道されただけだったが、人質二人の保護は最初の幸運だったと言えよう。

 しかし政府はこのような幸運がいつまでも続くと考えてはいけない。大統領は「残りの十七人の人質救出のためにさらに強力に作戦を展開するよう」命令したが、それは人質の安全を確保したうえでの作戦であるべきだろう。

 国軍側もこの作戦の意味を読み違えてはいないだろうか?保護された一人は「国軍は地上で闘わず、空爆をむやみに加えただけ。民間人の犠牲者が出たはずだ」と証言。政府も四人の民間人が犠牲になったと認めている。別の目撃者によると、結婚式の披露宴会場に爆弾が落ち、子供を含む十人が死亡したという。

 民間機関による調査では、今回の作戦遂行に対し国民は賛意を示していると言う。しかしこのことは決して国軍による住民巻き添えの軍事作戦を許している訳ではないのだ。十七人の人質を救出するために百九十人の民間人が犠牲になるというのは皮肉で苦い救出作戦だ。(22日・インクワイアラー)

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