台風ヨランダ(30号)
国連食糧農業機関の事務局長が台風被災地を訪問。さらなる支援を約束
国連食糧農業機関(FAO)のシルバ事務局長は10日、台風ヨランダ(30号)で被災したビサヤ地方サマール州バセイ町を訪れ、FAOの事業経過を視察した。同局長は被災した農・漁民らと昼食を共にし、さらに支援を強化していくと約束した。
視察にはアルカラ農務長官、FAOのレイエス・フィリピン事務所長らも同行した。
FAOは被災直後から現在までに、全被災地の被災したコメ作農家4万4千世帯に新しい種もみを配布。今後も種もみの配布を続け、さらに肥料400万キロと農具1万3千セットを被災農家8万世帯に配布するという。同局長は「種もみの配布では計500万ドルをかけた。すべての種もみが成長すれば、収益は実に8400万ドル相当に上る」と話した。
FAOはこのほか、被災したココナツ農家への代用生計手段の提供を検討している。約3300万本が被害を受けたココナツは、再び収穫できるまで成長するのに6〜8年かかるという。同局長は「ココナツ農家の支援は優先課題のひとつ」と定め、「間作のための作物や家畜の普及によって生計手段の多様化を目指す」と述べた。
同局長はまた、漁業支援をもうひとつの優先課題とし、支援を進めていくと話した。この日訪問したバセイ町の漁業組合は、FAOによる小型ボートの配布支援に感謝する一方、「漁具の提供など、さらなる支援をお願いする」と訴えた。