台風ヨランダ(30号)
福岡市の民間団体が停電続くタクロバン市の小学校で、手回し充電電灯などを寄付
福岡市の民間団体「日本レイテ友好協会」が20日までに、台風ヨランダ(30号)で甚大な被害を受けたビサヤ地方レイテ州タクロバン市内の小学校で、児童に手回し充電電灯や菓子などを配った。同市では被災から3カ月以上がたった現在も広域で停電が続いている。
同協会は、現会長である伊藤実喜さん(62)のおじ、賢次郎さんが、太平洋戦争中に同州で戦没した旧日本兵の遺骨収集や慰霊活動のため1998年に設立した。フィリピン人女性と結婚、同州に移住した賢次郎さんが09年に亡くなってからは、伊藤さんが貧しい子供たちの無料診療やマジックショーなどの活動を行ってきた。
1月に福岡市のボランティア団体関係者らとともにタクロバン市を訪問。食料を配ったが、被災した比人のおば宅で寝泊まりし「電気のない生活の大変さがよく分かった」と伊藤さん。2回目の訪問となった今回、手動で充電できる電灯やラジオ約130個、小さな太陽光電池で帽子のつばの部分に付けたプロペラが回る「扇風機付き帽子」30個、菓子を児童に配った。
電灯などは福岡市内の企業が寄付した。
伊藤さんは日本で医師をしながらマジシャンとしても活動、タクロバン市でも行く先々で子供たちにマジックを披露した。「地元の人の話では、あと2カ月は停電が続くらしい。被災地の様子も1月に行った際とほとんど同じで、復興はスローペースなんだなと感じた。今後も長期的に支援したい」と話している。