台風ヨランダ(30号)
ロハス内務自治長官、「悪意に満ちた責任転嫁」とタクロバン市長を糾弾
台風ヨランダ(30号)で甚大な被害を受けたビサヤ地方レイテ州タクロバン市のロムアルデス市長が、政府の支援不足と政治化を非難したことを受け、ロハス内務自治長官は11日、首都圏ケソン市の国家警察本部で開いた記者会見で「悪意に満ちた責任転嫁だ」とあらためて市長を糾弾した。
市長側は10日、新たに、被災6日後の11月14日にロハス長官が会議で市長に対し「大統領はアキノ家、あなたは(マルコス一家と血縁の)ロムアルデス家だということを忘れるな」と発言したもようを撮影した18秒の動画を、インターネット上に投稿した。
これに対し同長官は、発言内容が意図的に切断されていると指摘。「政府を非難することで、市長の職務怠慢への批判をかわす悪意があることは明かだ。被災地支援を政治化しているのは市長だ」と怒りをあらわにした。
また、市長が事前に沿岸部の住民に避難命令を出していたにもかかわらず、台風直撃当時、市長自身が海沿いのビーチリゾートにいたことを挙げ、「市長自身が命令に背いているような状態で住民が真剣に警告を聞き入れると思うか」と避難した。
18秒の動画は、市議員を務める市長の妻の父親の名前で投稿されていた。しかし、別の人物が投稿した約40分の会議の動画を見ると、ロハス長官は「アキノ家とマルコス家という異なる政治的背景があるだけに、いかなる誤解も避けるため、言動に慎重にならなければならない」とも話していた。
両者の泥仕合が熱をおびる中、ソリマン社会福祉開発長官は11日、「被災地の復興支援に役立たない」とし、ロムアルデス市長に非難合戦を止めるよう呼び掛けた。