台風ヨランダ(30号)
レイテ州など被災地で住民が自宅を再建、補修するための建材不足が続いている
台風ヨランダ(30号)の被災地で、被災住民が自宅を再建、補修するための建材不足が続いている。国連人道問題調整事務所(OCHA)が10日付の最新報告で「特に、屋根を覆うビニールシートの需要がひっ迫している」とさらなる支援を呼び掛けた。
11日午前の国家災害対策本部発表によると、全半壊した家屋は約119万棟。州別の内訳は、レイテ41万、イロイロ16万9千、カピス13万3千、セブ11万9千、西ネグロス6万3千、東サマール6万、アンティケ4万7千、ビリラン2万2千、サマール1万7千など。
OCHA報告は「多くの被災住民が家屋再建を自力で始めようとしており、建材や大工道具類などの支援を求めている」と指摘した。
また、一時避難所として使われるテントの支援では、レイテ州タクロバン市周辺部に過剰供給される一方で、同州オルモック市やビリラン州にはほとんど届かないという「支援格差」が顕在化しているという。
自治体別最多の死者・行方不明者2938人(11日午前現在)を出したタクロバン市では家屋5万8千棟が全半壊した。これに対し、オルモック市の死者・行方不明者は計45人にとどまった半面、家屋の被害数は自治体別最多の6万2千戸に上った。
被災から1カ月以上が経過した現在も、87万世帯、398万人が避難生活を続けているが、比政府が建設する共同仮設住宅は5256世帯分にすぎない。(酒井善彦)