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12月7日のまにら新聞から

台風ヨランダ(30号)

[ 714字|2013.12.7|気象 災害 (nature)|ビサヤ地方台風災害 ]

西ネグロス州出身の舞台技術者財団が14日に無料コンサート開き寄付募る

西ネグロス州カディス市でも台風で多くの民家が倒壊した=ラゴさん提供

 台風ヨランダ(30号)の烈風で多くの木造民家が倒壊したビサヤ地方西ネグロス州カディス市の被災者を支援しようと、同市出身の舞台技術者ジョイ・ラゴさんらが14日、首都圏パサイ市のSMモール・オブ・アジアのセンターステージで無料コンサートを開催する。

 ラゴさんは、照明や衣装など比の舞台技術者が参加するシナグアーツ芸術財団の代表を務める。同財団は、1994年から約15年にわたり、比国内の舞台芸術で照明デザインの発展に貢献してきた松本直みさんがラゴさんらと共に立ち上げた団体。

 ネグロス島の北端にあるカディス市出身のラゴさんは、台風横断後、報道されない故郷の様子が気になり、11月22〜27日に家族と共に里帰りした。

 烈風でニッパヤシの葉や木材でできた貧しい農漁村の民家の大半が倒壊し、市内の商業施設も一部が破損した。死者は出なかったが、「子供のころからあった大きな木すら根こそぎ倒れていた。高潮がなかっただけで、すべてがなぎ倒された光景はレイテと変わらない」とラゴさん。

 政府による支援もほとんど届いておらず、市の救援物資は決められたリストがあり、市長の支持者のみに配られているという。同市シカバでは、ラゴさんらが11月26日に届けた食料などの物資が初めて外部から届いた支援だった。「怒りがこみ上げた。コンサートで寄付を募り、なんとか故郷を助けたい」

 14日は午後7時から、劇団による演劇や歌、ベトナム、インドネシア人留学生による舞踊などが披露される。入場料は無料。会場に募金箱が設置される。集まった寄付は、ラゴさんが今月下旬にカディス市に戻り、同郷の仲間とともに、民家再建のための資材を買い、被災者に届ける。

気象 災害 (nature)