台風ヨランダ(30号)
国家経済開発長官、被災地は最貧困地域だとし、災害影響の長期化を懸念
国家経済開発庁(NEDA)のバリサカン長官は28日、台風ヨランダ(30号)により甚大な被害を受けた東ビサヤ地域が国内でも最も貧困世帯が多い地域だと指摘し、「復興が遅れれば、貧困状態がさらに悪化し、災害の影響が世代間にわたって長期化する恐れがある」との懸念を示した。
統計調整委員会(NSCB)の2012年前期の統計によると、サマール、レイテ両島から成る東ビサヤ地域の貧困率は37・2%。州別内訳は、東サマールが59・4%で最高。北サマール43・7%、南レイテ36・4%、サマール36%、レイテ31・9%と続き、ビリラン州(20・7%)を除いて、中部ビサヤ(28・8%)、西ビサヤ(24・7%)両地域を大きく上回っている。全国平均は22・3%。
バリサカン長官は、27日にマラカニアン宮殿で行われた閣僚級タスクフォース(TF)の初会合で、優先して実施されるべき五つの重要行動計画をアキノ大統領に提示した。
計画は①再定住地を整備し、住宅の建設が禁止されている地域に住んでいた被災者を優先的に入居させる②自宅を失った被災者への再建資材支援③がれき撤去などでの被災者雇用④種、苗の提供など農業、漁業従事者が生計を立て直すための各種支援⑤学校、公設市場、病院など公共施設の修理。
同長官はこれらをできるだけ早く実行することで、貧困世帯への災害による影響を軽減し、復興を進めることができると説明した。