台風ヨランダ(30号)
自衛隊、ビサヤ地方レイテ州タクロバン市内で防疫薬の散布を開始した
台風ヨランダ(30号)被災者の救援に当たっている自衛隊の本隊、比国際緊急援助統合任務部隊(約1170人)のうち感染症予防を担当する防疫チームは26日、ビサヤ地方レイテ州タクロバン市内で防疫薬の散布を行った。今後、市内57カ所の避難所を中心に散布区域を広げる予定。
防疫チーム15人を乗せたホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)は、26日午前9時45分ごろ、タクロバン市の南約10キロに位置するタナウアン町の海岸に到着した。同チームは直ちにタクロバン市内に移動し、被災者約1600人が避難している「タクロバン・シティ・コンベンションセンター」付近で防疫薬の散布作業を開始した。
同センターは台風で一部が被災し、トイレが復旧していないため、付近には大小便が散乱し、大量のハエが発生するなど、衛生状態が悪化している。
防疫チームは今後、散布区域を広げるが、薬剤の散布にあたっては避難所に暮らす被災者の一時的な移動が必要。防疫チームによると、比の厚生省がこれらの被災者の説得に当たっているが、難航しているところもあるという。
一方、レイテ湾に停泊している自衛隊の護衛艦「いせ」では27日午後、佐藤寿紀海将補と米海軍のヒュー・ウェザラルド少将が会談し、被災地の情報を交換した。(今野喜六)