台風ヨランダ(30号)
閣僚級タスクフォースが初会合。実施期間2年、予算1千億ペソの復興計画提示
台風ヨランダ(30号)の被災地復興で、政府は27日、マラカニアン宮殿で、閣僚級タスクフォース(TF)の初会合を開き、復興計画案について協議した。アキノ大統領に提示された計画案の実施期間は2年で、必要な予算は1千億ペソ規模。事業内容の詳細などを肉付けした上で、29日にも承認される見通し。
ラシエルダ大統領報道官によると、復興計画案は、短期、中期、長期の3フェーズで構成される。家屋や公共施設、道路などのインフラ、配電網や上水道網などライフラインの再建を進める。
被災者の生活再建を支援する仮設住宅建設や雇用対策などの短期フェーズでは、少なくとも388億ペソの予算が必要になるという。中、長期フェーズの事業内容や予算規模の詳細は、復興計画案の承認後に公表される見通し。
復興事業向け予算の主な財源は、①2013年政府予算の未執行分268億4千万ペソ②14年政府予算案の上院案に盛られた復興予算1千億ペソ。
14年政府予算案をめぐっては、週明けにも上・下両院案をすり合わせる両院協議会が開かれる予定。
台風被災前後にそれぞれ可決された両院案には、復興予算枠や優先開発補助金(PDAF、通称ポークバレル)の扱いなどで差異があるが、ドリロン上院議長は27日に発表した声明で「(両院協議会の)話し合いが難航したことは過去にも多々あったが、最後は合意を形成できた。今回も、(両院案の)差異を解決できるだろう」と年内の最終案可決、成立に自信を示した。(酒井善彦)