台風ヨランダ(30号)
自衛隊本隊の国際緊急援助統合任務部隊が、セブ州北端の町で医療支援活動を開始
台風ヨランダ(30号)被災者の救援に当たる自衛隊の本隊、比国際緊急援助統合任務部隊(約1170人)が24日、ビサヤ地方セブ州北端のダアンバンタヤン町で、医療支援活動を開始した。
同町に入ったのは、医官ら医療チーム19人。先遣隊の13人を除く6人は正午すぎ、レイテ湾に停泊中の護衛艦「いせ」と輸送艦「おおすみ」から、大型輸送ヘリCH47で到着した。
待合所となるエアドーム型テントを公立高の校庭に設営後、午後3時ごろまでの約2時間で町民約60人を診察した。また、高校周辺では、診察を希望する町民百数十人が列を作った。
医療チームの19人は、陸自東北方面隊第6師団を中心とする医療・航空援助隊の所属。同隊の浅見勇学隊長=1等陸佐=は「現地の声を聞きながら、何が必要なのかを見極めながら支援活動をしていきたい」と話した。
国家災害対策本部発表(24日午前6時現在)によると、セブ州では北部を中心に73人が死亡した。
ダアンバンタヤン町でも4人が犠牲になり、8141世帯、3万7千人が被災した。全半壊した民家は約1万6千戸に上り、医療チームの活動に立ち会ったアウグスト・コロ町長(62)は「自衛隊には心から感謝したい」と話す一方で、「被災した公共施設や民家再建のための建築資材が不足している」と復興の困難さを訴えた。
自衛隊の比国際緊急援助統合任務部隊は、22日にレイテ湾に到着した海上派遣部隊の護衛艦いせなど自衛艦3隻、空輸隊のKC767など輸送機10機、医療・航空援助隊のヘリ6機で構成されている。(今野喜六、酒井善彦)