台風ヨランダ(30号)
迅速な被災地復興のため閣僚級タスクフォース設置。包括的復興計画案を策定へ
アキノ大統領は22日までに、台風ヨランダ(30号)の被災地復興を迅速に進めるため、閣僚級タスクフォース(TF)を設置し、被災20日目となる27日までに、包括的復興計画案を提出するよう指示した。世界各国政府や民間団体の援助を受けた被災者支援は、大きな山を越しつつあり、同案策定を機に被災者支援から被災地の復興、生活再建に力点を移す方針だ。
大統領府によると、タスクフォース設置は21日の閣議で決まった。入閣前、レイテ州知事を務めたペティリア・エネルギー長官を中心に、関係省庁が各分野の復興計画を取りまとめる。
参加省庁は、エネルギー、公共事業道路、貿易産業、農務、労働雇用、社会福祉開発、環境天然資源、財務、予算管理、外務、内務自治各省と国家経済開発庁(NEDA)。
これら中央省庁に加えて、被災自治体や被災を免れた自治体とも密に連携し、挙国態勢で復興計画案の策定、実施に当たる。
復興事業と並行して、科学技術、司法両省は、再発防止策に生かすため①甚大な被害を受けた地域がレイテ、サマール両州の一部地域に集中した要因②被害を受けた家屋の強度③被災コミュニティーの集団移転││などについて調査を進める。
政府がこれまでに明らかにした復興費は、2013年政府予算の未執行分268億4千万ペソ。内訳は、未実施事業などの予算余剰分166億ペソ、大統領府の社会基金64億ペソ、災害対策基金12億8千万ペソなど。今後、違憲判決の出た優先開発補助金(PDAF、通称ポークバレル)の未支出分145億ペソも振り向けられる見通し。これらに加えて、上院本会議に19日、上程された14年政府予算案には、総額200億ペソの復興基金が盛られた。(酒井善彦)