台風ヨランダ(30号)
2カ所除き被災各地の港が復旧。政府はタクロバン市の正常戻りつつあると強調
比港湾庁は20日、2カ所を除いて台風ヨランダ(30号)で被害を受けた被災地の港がすべて復旧したと発表した。台風直撃から13日が経過し、政府は被災地が徐々に正常化しつつあると強調している。
港湾庁によると、船舶の乗り入れが通常状態に戻ったのは、ビサヤ地方レイテ州タクロバン、オルモック、バイバイ、ヒロゴス、南レイテ州マアシン、イロイロ州クラシ、パラワン州コロン各港。台風が最初に上陸した東サマール州ギワン、イロイロ州エスタンシャ両港は、利用が一部制限されている。
また、ソリマン社会福祉開発長官は20日、タクロバン、オルモック両市、東サマール州ギワン町に加え、被害が比較的小さかったサマール州カトバロガン市に新たに救援活動の拠点を立ち上げ、物資などが届いていない被災者への支援を強化すると述べた。
現在、米軍のヘリコプターが中心となり東サマール、サマール両州被災地の遠隔地に上空から救援物資を投下する作業に当たっている。より広範囲に、大量の物資、支援を運ぶため、陸上の拠点が必要という。
ラシエルダ大統領報道官は、市街地が壊滅したタクロバン市で19日に複数の商店が開店し、3カ所の現金自動預払機(ATM)が使えるようになったと報告。比開発銀行(DBP)も同市で取引を再開した。商業施設2カ所も21日に営業を再開する予定という。「良いペースで正常に戻りつつある」と述べた。
一方で食品薬事管理局は、食料支援が不足している地域の被災者に対し、動物の死がいや、洪水につかった肉製品を食べないよう呼び掛けた。
病原菌や毒素が体内に入り込み、体調を崩す恐れがある。