台風ヨランダ(30号)
支援遅延の理由は、自治体関係者被災と輸送機、艦船の少なさ。大統領が示唆
台風ヨランダ(30号)の被災地支援の遅れが指摘されている問題で、アキノ大統領は18日、遅延理由に、自治体関係者被災による行政機能のまひや保有輸送機、艦船の少なさを挙げた。被災地のレイテ州アランガラン町で、記者団の質問に答えた。
大統領は「いかなる災害でも、発生直後の対応、情報収集に当たるのは地方自治体」と説明し、自治体からの情報が中央政府の対策、政策を支える「背骨」になると指摘した。
その上で「今回は首長や自治体職員らが災害に巻き込まれてしまった」と述べ、被災地各地の状況が把握できないため、政府として対応の取りようがなかったことを示唆した。
また、携帯電話など通信網のまひで、自治体との連絡が途絶したことを踏まえ、災害時や停電時にも使用可能な通信網の整備を急ぐ考えを明らかにした。
支援物資の輸送に関しては、「国軍が保有している小型輸送機C130は3機だけ。ヘリや大型輸送艦はどのぐらいあると思うか」と記者団に問い掛け、現有輸送機、艦船では、今回のような広域災害に対応できないことを暗に認めた。
17日、レイテ州タクロバン市を再訪した大統領は、被災者支援や復興作業が一段落するまで、現地にとどまる考え。