台風ヨランダ(30号)
死者数、計2344人に。一部州では、死者、損壊家屋数など被災状況を把握できず
13日午後8時現在の国家災害対策本部発表によると、台風ヨランダ(30号)の死者数は、前日から約550人増え、計2344人となった。行方不明、負傷者はそれぞれ79人、3804人。死者の7割強、1785人がビサヤ地方レイテ州に集中する一方で、同州と同様、甚大な被害を受けた南レイテ、北サマール両州の死者数は、発表対象から外れたまま。全半壊した家屋数も、サマール島内のサマール、東サマール、北サマール各州は発表対象外。被災状況の把握は、支援を的確に進める上で不可欠だが、比政府は台風上陸から5日が経過した13日現在も、その全容をつかみきれていない。
国内外のメディアが、タクロバン市などレイテ州の被害状況を大きく報道する中、最初の台風上陸地となった東サマール州選出のエバルドネ下院議員は13日、テレビ局の取材に対し「東サマール州内では少なくとも211人が死亡した。一部自治体は壊滅的被害を受け、陸の孤島となっている。行政機能は完全に停止し、略奪や暴動も起きている。タクロバン市だけでなく、東サマール州にも支援を」と悲痛な訴えをした。
同本部発表によると、レイテ州の死者1785人の市町別内訳は、タクロバン市696人、オルモック市21人、その他1068人。
同州以外の死者数は、サマール州200人、東サマール州172人、セブ州68人、カピス州44人、イロイロ州41人、アクラン州10人など。
行方不明者79人の州別内訳は、東サマール36人、レイテ25人、アンティケ8人、セブ5人、イロイロ3人、カピス1人、ギマラス1人。
全半壊した家屋数が最も多いのは、イロイロ州の6万3千で、セブ州3万7千、西ネグロス州2万8千、カピス州2万2千、アクラン1万6千、アンティケ7千などと続いた。対照的に、壊滅的被害を受けたレイテ州内は「382」。隣接する南レイテ州も「1032」にとどまっている。
被災者の総数は、43州574市町の173万世帯、801万人。うち11万2千世帯、53万人が避難生活を強いられている。(酒井善彦)