台風ヨランダ(30号)
日本政府、国際緊急援助隊として自衛隊を初めて派比へ。緊急無償支援10億円も
台風ヨランダ(30号)の被害で、日本政府は12日、被災地への自衛隊派遣と千万ドル(約10億円)の対比緊急無償協力の実施を決めた。国際緊急援助隊としての自衛隊派比は、1987年の同援助隊派遣法施行以来、初めてとなる。
12日午後に記者会見した菅義偉官房長官によると、自衛隊の派遣人員は約40人。出発準備は既に整っており、比政府との最終調整結果を待っている段階という。
派遣地は、甚大な被害を受けたビサヤ地方レイテ島が中心になるもようで、医療、移送活動などを行う。状況次第では追加派遣の可能性もある。また、11日夜、来比した国際緊急援助隊の医療チームは12日、同島入りした。
レイテ島は太平洋戦争末期、旧日本兵7万9千人が戦死した激戦地。また、日本軍に殺害されたり、戦闘に巻き込まれるなどして多くの住民が命を落としており、自衛隊にとって意義深い援助活動となりそうだ。
一方、緊急無償協力は、国際機関を通じて、緊急シェルターや食料、水の調達、衛生分野の支援に充てられる。これとは別に、ビニールシートやマットなど6千万円相当の緊急物資も供与する。
また、世界各国の災害被災地で緊急支援を行っている特定非営利活動法人(NPO)、ジャパン・プラットフォーム(JPF、東京都千代田区)も12日、被災者支援の実施を決めた。支援期間は2014年1月中旬までの約3カ月間で、事業資金枠は2億円(政府資金1億4千万円、民間資金6千万円)の予定。(酒井善彦)