比は世界133カ国中53位に上昇 グローバル・イノベーション指数
グローバル・イノベーション・インデックス2024年版で、比が133カ国中53位にランキングが上昇
世界知的所有権機関(WIPO)はこのほど、グローバル・イノベーション・インデックス(GII)の2024年版報告書を発表した。それによると、GIIの総合ランキングでフィリピンが133カ国中の53位となり、前年の56位から3ランク上昇した。国家経済開発庁(NEDA)が4日にメディアリリースを発表して伝えた。
WIPOの報告書によると、24年度の比のランキングは低中所得国の38カ国の中ではインドとベトナムに次いで3番目に高かったほか、東南アジア諸国連合加盟国の中ではシンガポール(全体の4位)、マレーシア(同33位)、タイ(同41位)、ベトナム(44位)に次いで5番目に高いランキングで、インドネシア(54位)を上回っている。
同報告書では比について、「ハイテク輸出額」で世界1位、「ハイテク輸入額」や「クリエイティブ商品輸出額」、「ICTサービス輸出額」などの貿易関連の指標でいずれも世界で秀でていると評価している。また、「グローバル・ブランドの価値」と企業の「無形資産集約度」についても前進がみられるとしている。
一方で、比は人口100万人当たりの研究者の数で世界86位、特許協力条約を通じた国際出願数で94位、ICTインフラへのアクセスで105位、中等教育における教員当たり生徒数で108位などと人材育成やデジタルインフラ環境などに関する指標で低迷している。
バリサカンNEDA長官は声明で「今回の躍進は明らかにイノベーション文化を育成し、国内外における競争力を向上させるという我々のコミットメントを反映している。今後もイノベーションを持続可能な経済成長の中心的な駆動力にすることに注力したい」と述べている。
GIIの総合ランキングでトップは23年度に続きスイス。2~10位には、スウェーデン、米国、シンガポール、英国、韓国、フィンランド、オランダ、ドイツ、デンマークが入っている。中国が11位と躍進しており、日本は前年度と同じ13位だった。(澤田公伸)