マニラ空港きょうから民営化 運営が企業連合体へ移行
14日からマニラ国際空港の運営主体が政府公社MIAAからサンミゲルを中心とする企業連合体NNICに移る
マニラ空港(ニノイ・アキノ国際空港)は14日から、サンミゲルを中心とする企業連合体の新NAIAインフラストラクチャー・コーポレーション(NNIC)が運営を政府から引き継ぐ。民営化に際しては、各空港ターミナルを再整備して現在の年間旅客収容能力3500万人を早期に6200万人に引き上げることを政府から求められている。マニラ国際空港公社(MIAA)から空港運営をスムーズに引き継ぐため、同公社の職員の多くをそのまま企業連合体で雇用する。
13日付英字紙マラヤによると、MIAAで空港運営や保守・修理などに携わってきた政府職員の77・5%に相当するおよそ2000人がNNICに従業員としてそのまま雇用される契約を結んだことが判明。また、空港警察やその他の職種に就くMIAA職員もNNICに継続雇用される方針で、計約2400人の職員が9月14日以降もそのまま現在の業務を続ける。
NNIC側は、MIAA職員を雇用する際に現行から25%の給与引き上げや、給与月額の2カ月分に相当する契約ボーナスの支給などを提示。しかし、約100人はNNICへ移ることを拒否したという。
NNICは今後15年間にわたりマニラ国際空港を運営し、さらに10年間の運営期間延長も見据えている。同企業連合体は総額2000億ペソを超える投資を行う計画で、空港運営総収入の82%超を比政府に分配することも決まっている。
NNICはマニラ空港に四つあるターミナビルルのうち、老朽化が目立つターミナル1を本格的に再整備するほか、ターミナル2とターミナル3に対してビル拡張工事を実施する。また、現在、国内線専用のターミナル4を閉鎖して空港運営会社の事務所や倉庫として利用する計画。特に現在、旅客収容能力が900万人にとどまっているターミナル2を南北に大幅に拡張し、3200万人に引き上げることを目指している。(澤田公伸)