「現金給付は短期的に過ぎない」 インフレ対策75%が不満 OCTAリサーチ調査
OCTAリサーチのマルコス政権の各種政策に対する満足度調査で、インフレ対策に対する不満足度が75%と最多
フィリピン大研究者らの調査グループOCTAリサーチが17日、2023年12月中旬に実施したインフレ対策や貧困対策、インフラ促進や自然災害への対応などマルコス政権の各種政策に関する世論調査の結果を発表した。それによると、マルコス政権のインフレ対策について「不満足」との回答が75%に上り、政策評価で最も厳しい内容になっていることが明らかになった。「満足」は6%だった。また、貧困撲滅に向けた努力について、「満足」は14%と低く、「不満足」が46%と過半数近くを占め、厳しい評価となっている。
一方、インフラ整備に対して「満足」は81%で最も高い満足度を記録した。次いで、比人海外就労者(OFW)の福祉を守る政策に対して「満足」が77%と高い水準を示している。同様に自然災害への対応については77%、大学や職業訓練教育の質の底上げについては75%、小学校やジュニアハイスクールの質については75%が「満足」と答えた。
OCTAリサーチのギド・ダビッド研究員は18日のラジオインタビューに対し、「インフレ問題をすべて政府のせいだと非難することはできない」とする一方、「政府は現金給付などの支援を行っているが、短期的な解決方法に過ぎない。長期的な解決方法として、教育、ビジネス、農業分野での優遇措置にもっと注力すべきだと思う」と提案した。
同研究員はさらに「国民に教育と仕事を与えることが長期的解決方法の一つとなる。そのために農業部門や中小零細企業へのインセンティブも必要だ」とした上で、外国人投資家を誘致する方策については「高止まりしている電気代を引き下げることが急務だ」と訴えている。
今回の調査結果を受けてバリサカン国家経済開発長官も「(政府として)基本的な必需品の価格の上昇を管理し、より多くの外資を誘致することにさらに努力する」としている。(澤田公伸)