25年までの締結目指す ASEANデジタル経済枠組み
ASEANデジタル経済枠組み合意のための交渉枠組みを採択
インドネシアの首都ジャカルタで3日、今週開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の関連会合としてASEAN経済共同体理事会会合が開かれ、比からはパスクアル貿易産業相が出席した。加盟国経済閣僚らは、ASEANのデジタル経済の統合に関する「ASEANデジタル経済枠組み合意」(DEFA)締結に向けた交渉の目的と原則を定める「DEFA交渉枠組み」を採択。2025年までの締結を目指す。ASEANのデジタル経済規模は2030年までに2兆ドル(約292兆円)規模になると試算されている。
同枠組みでは、主要分野としてデジタル貿易、国境を越えた電子商取引、サイバーセキュリティー、デジタルID、デジタル決済、国境を越えたデータのやり取りなど交渉の対象となる9分野が特定された。
ASEANのカオ・キムホン事務総長(カンボジア)は「インドネシアが議長国を務める今年のASEAN会合で最も顕著な成果の一つだ」と強調。「DEFAはグローバル経済における東南アジア地域のダイナミズムと競争力を強化する」と述べた。
今回の取り決めに従い、ASEANの中にDEFA交渉委員会が設置され、加盟10カ国から首席交渉官が参加する。委員長はタイ。第1回の交渉は今年末に予定されている。
シンガポール海峡時報によると、アマゾンASEAN広報のアナベル・リー氏は「DEFAによって、地域の急成長する新興企業から大企業、政府機関までクラウドを通じて最先端のテクノロジーにアクセスできるようになり、社会・経済的進歩が促進される」と評価。
配車サービス・グラブのジェイミー・コー広報担当は「相互運用可能なデジタル経済システム、国境を越えたデータのやり取り、デジタル貿易は、東南アジアの成長を促すデジタル環境整備に不可欠。デジタルの領域で経済が統合されることにより、より大きな成長の可能性を引き出すことができる」と期待を寄せた。(竹下友章)