インフラ投資に1.1兆ペソ 予算管理相が24年予算案提出
パガンダマン予算管理相が24年予算案を下院に提出。インフラ関連予算は全体の2割に
パガンダマン予算管理相は2日、2024年の政府予算法案をロムアルデス下院議長に提出した。総額は前年比9・5%増で過去最高を更新する5兆7680億ペソ。国内総生産(GDP)の21・7%に相当する。現政権の大規模インフラ投資政策「ビルド・ベター・モア(BBM)」関連予算には、全予算の2割、GDP比5・3%に相当する総額1兆1480億ペソが割り当てられた。
BBM予算は、現政権下で開始された124事業を含む194優先旗艦事業を中心に充当。その中には南北通勤線(763億ペソ)、首都圏地下鉄(684億ペソ)、軽量高架鉄道(LRT)1号線延伸事業(47億ペソ)など鉄道整備のほか、道路、港湾、空港整備事業が含まれる。
全国の空港の通信、航空管制システム更新事業には13億ペソ、マニラ国際空港の再整備事業にも16億ペソが割り当てられた。同空港は今年に入りシステム障害や停電で欠航を繰り返していた。
道路・架橋予算は8222億ペソ。そのうち1481億ペソは総延長721キロの新道路建設と合計647キロの道路再整備を行う道路網開発プログラムに、458億ペソが総延長15キロの新規架橋および525カ所の既存橋梁(きょうりょう)再整備に、1156億ペソが総延長1186キロの橋・道路の保守点検費用に充てられた。
社会インフラ事業としては、公立学校建設・整備費・耐災害化予算に406億ペソ、病院など医療施設建設・整備に153億ペソ、バンサモロ・イスラム自治地域における僻地(へきち)や紛争の影響を受けやすいコミュニティーに対する経済社会インフラ整備事業に23億ペソが割り当てられた。
▽機密費増加
大統領府、内務自治省、国防省などに充てられた情報予算の合計は昨年より約5億ペソ増加し57億7000万ペソ、各官庁の機密費は6000万ペソ増の48億6400万ペソだった。
気候変動対策予算は4531億ペソだった23年から約千億ペソ増加し5434億ペソとなった。同予算は、公共事業道路省の対災害インフラ投資、運輸省による環境にやさしい交通インフラのデザイン、社会福祉開発省の台風防災事業などに用いられる。
予算全体の部門別内訳は、社会サービスが37%、経済サービスが29・6%、一般公共サービスが15・5%、債務返済が12・1%、国防費が4・9%。
政府機関別で最も大きな予算を配分されたのは教育省で9247億ペソ。次いで公共事業道路省が8222億ペソ、保健省が3061億ペソ、内務自治省が2595億ペソ、国防省が2322億ペソ、運輸省が2143億ペソ、社会福祉開発省が2099億ペソ、農務省が1814億ペソ、裁判所など司法部門が578億ペソ、労働雇用省が405億ペソなどの順だった。(竹下友章)