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2月17日のまにら新聞から

RCEP来週批准へ 上院で決議案提出

[ 928字|2023.2.17|経済 (economy) ]

上院でRCEP批准の決議案が提出。ズビリ議長「来週までの批准を目指す」

 上院本会議で15日、「地域的な包括的経済連携」(RCEP)協定批准のための決議案=上院決議案第485号=が提出された。ジョクノ財務相や大統領府の高官も同決議案の後援者として出席。ズビリ議長は来週までの批准を目指す意向を表明した。

 ズビリ議長は「RCEPには『センシティブ』な農産品は含まれず、比の農業分野に悪影響を与えることはない」と明言。「農産物に関する輸入関税品目全7564品目のうち、(同協定で)輸入関税引き下げ対象となるのは33品目のみ。その恩恵を受ける国は中国、韓国、豪州、ニュージーランドの4カ国だけだ」とした。対象33品目が輸入総額に占める割合は0・8%という。

 輸入関税引き下げ農産品目としては、生きたブタおよびニワトリ、冷凍のサバ、乾燥または塩漬けの魚肉(薫製除く)、オリーブ、セロリ、ホウレンソウ、黒コショウ、コーンスターチ、パームナッツ、オリーブオイルなどが含まれる。

 同議長は「RCEPは比が主要経済国としての地位を確立できる経済圏作りのための機会だ」として、RCEP批准の重要性を強調した。

 ▽象徴的意味合い

 日本貿易振興機構(JETRO)マニラ事務所の吉田暁彦調査ディレクターはまにら新聞の取材に対し、「ベトナムやタイ、シンガポールなど他の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国や日中韓が先に批准するなか、比での批准の遅れが投資家に対して自由化や市場開放に消極的な印象を与える恐れがあった」と指摘。「批准されればその印象が改善するという象徴的な意味も考えられる」と説明した。

 経済効果については、「2国間の特恵関税の適用条件となる原産地証明の規則がRCEPでは輸出入事業者に有利なもの(累積方式)に統一され、また、投資家保護規定を含む投資ルールもある」とし、貿易・投資の促進効果を期待できる制度上の利点を指摘。

 ただその一方、「関税協定についてはASEAN内やASEAN・日本、ASEAN・中国間の自由貿易協定(FTA)が既にあり、貿易自由化はRCEP成立前からある程度進展していた」と説明。RCEPがどれだけ比経済に影響を与えるかについては「中長期的に検討する必要がある」とした。(竹下友章)

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