19年成長率6.4%と予測 S&P 比政府目標下回る
S&Pは19、20両年の比経済成長率が6%台にとどまり、政府目標の7〜8%を下回ると予測
米格付け大手S&Pグローバル・レーティングはこのほど、2019、20両年のフィリピンの経済成長率が、対外需要の伸びの停滞などで6%台に留まり、政府目標の7〜8%を下回るとの予測を発表した。ペルニア国家経済開発長官は1月、18年の国内総生産(GDP)の伸び率を発表した際、両年の政府目標の達成に自信を示しているが、同社の予測はかなり下回った。ただ、同社も比経済の「好調さは続く」とみている。
S&Pは、19年の国内総生産(GDP)の伸び率は6・4%、20年は6・6%と予測した。理由として、インフレと利上げ圧力が依然、消えていないことや、「米中貿易戦争」の不透明感、主力輸出産業の電子部品や機械類の伸び鈍化などを挙げた。
それでも予測数値は、両年とも国家統計局(PSA)が1月に発表した18年通年のGDP伸び率6・2%を上回っており、S&Pは、比経済は6%成長を維持、アジアの各国の中でも「上向きで推移する」と分析している。
インフレについては9月の6・7%をピークに沈静化、比中央銀行による利上げは一服し、利上げ観測は遠のいているが、なお適切な金融政策を維持すべきだとしている。
一方、スイス系の国際大手金融機関UBSもこのほど、比の成長率予測を発表、S&Pと同様に、19、20両年とも6%台とし、政府目標の7〜8%までの成長は困難と指摘した。