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3月5日のまにら新聞から

文化の軌跡表す音色の存続を ラスピニャス・バンブーオルガン

[ 658字|2023.3.5|文化 スポーツ (culture)|新聞論調 ]

ラスピニャス教会のバンブーオルガンを使った音楽祭が今年も開催

 バンブーオルガンフェスティバルは1975年、オルガンがドイツでの修復を終えて比に戻されて以来毎年2月に開催されている。人々はその音色に魅了され、「ラスピニャスのバンブーオルガン」が根付いていった。

 バンブーオルガンをこの地で初めて作ったのは、スペイン・ウエスカのオルガン製作者家系の出身で、1817〜24年にラスピニャス教区に就いていたフレイ・ディエゴ・セラ司祭。竹は厳重な管理のもとで切り出され、ラスピニャス海岸で海水に浸されたことで、頑丈で長持ちするようになったという。

 このフェスティバルは、首都圏ラスピニャス市の自治体、観光省、国家文化芸術委員会の全面的な支援を受けている。名物オルガニストは比で有名な作曲家アルマンド・サラルサ。ここでは比の作曲家によるバンブーオルガンのための音楽制作を奨励しており、作曲コンクールも開催している。

 今年も2月18日に始まった。星空と満月が見える涼しい夜、明るく照らされた教会の中で響き渡るマニラ交響楽団やラスピニャス少年合唱団とオルガンのハーモニー、そして時に静寂もがあまりに優雅で刹那的で、まるで天国にいるように感じる。

 ポップシンガーやバンドがホールやアリーナを観客で埋めつくせるなら、バンブーオルガンの音色を楽しむ音楽愛好家は十分すぎるほどいるはずだ。

 比のアイデンティティと文化の軌跡、歴史と芸術を表現するものとして、開催に大きな意義があり、市民で存続を支えることは十分に価値があると言えるだろう。(3日・マニラタイムズ、イサベル・オンピン)

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