盆踊り大会
会場の日本人学校で和太鼓鳴り響く。金魚すくいや日本食屋台には長蛇の列
鳴り響く太鼓、我が子をカメラに納めようと懸命な親たち。やぐらを真ん中にして赤、ピンク、青、色とりどりの提灯が光るー。
マニラ日本人学校(MJS)の校庭で1日開かれた第15回盆踊り大会。祭り気分を最高潮に盛り上げたのが、日本人学校(MJS)の生徒たちによる和太鼓演舞だった。11人の児童と先生が、迫力のある太鼓で行った夕方6時ごろの「エキシビション」のトップバッターと、8時半すぎの盆踊り大会の「フィナーレ」。
曲目は、盛川理恵先生の前任地の三宅島の太鼓をアレンジしたものなど3曲。4〜6年生の児童11人が新調した藍色のはっぴに身を包み、軽快なリズムと腹に響くばちさばきで会場をくぎづけにした。
太鼓を演奏した藤田遼介君(10)は11月から転入して「和太鼓クラブ」に入った。藤田君は「1つの太鼓をみんなでたたくから、タイミングを合わせるのが難しかった」と大仕事をやり終えてほっとした表情だ。
盛川先生によると、クラブの時間だけでなく、朝と昼休みに自主的に集まり、毎日練習を重ねたという。「みんな緊張していたが、人前で演奏するのはとても良い機会。演奏後にいろんな人に声をかけられて、うれしそうだった」と努力をねぎらった。
一方、屋台は過去最多の27店という記録的な出店数。野菜で有名なルソン地方ベンゲット州で作られた無農薬野菜が並べられたほか、日本人酪農家が作る新鮮な乳製品、無農薬ハーブから作る紅茶などの「こだわりの品」がずらり。同地方リサール州の山間部にあるマガタ村の貧困支援の非営利団体「SMP」は今回が初出店。「災害が起これば孤立し、作物も他の有名地域ほど生産できないこの村で、なんとか生計を得る手段を確立させたい」と語るのはMJSの小林由美子先生。
毎年賑わう金魚すくいの出店も子供たちの人気の的だった。「やった、もう1匹!」。「アー、穴が空いちゃった」。子どもたちの声が水槽のまわりで飛び交う。5センチの金魚をすくった種田憲優君は「1回目は何も取れなかったけど、2回やって、やっと取れた」とうれしそう。
盆踊りは日本航空や全日空などの社員がそろいのはっぴ姿で踊った。日本航空に14年勤めるロナルド・シーさんは、4年連続参加。「屋台の日本食もすべてマスターした。盆踊りは簡単だよ。毎年集まる社員も増えて楽しい」と得意げだった.。(松本江里加)