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5月24日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 579字|2010.5.24|文化 スポーツ (culture)|ハロハロ ]

 「フィリピン塾 ハロハロ入門」というNPO法人の学習集会が東京で開かれ、太平洋戦争で肉親を殺された比人と残虐行為を強いられた元日本兵のビデオ・メッセージが上映された。制作したのは2004年から聞き取り調査の証言をビデオ編集し、各地で上映会を続けている「ブッリジ・フォー・ピース」(BFP)。残虐行為を死ぬ寸前まで嘆き続けた元日本兵の存在を聞いたのを契機に活動を始めたという。

 集会の司会をしたのは入社2年目の商社員。2年前、最高裁で開かれた国籍確認訴訟の上告審の取材で知り合った。当時、就職活動中だった彼は内定した商社に入るか、比での就労を選択するか迷っていた。「商社なら比ともかかわれる」と商社入りを勧めたが、BFPのボランティア活動をしながら元気そうに活躍していた。アラスカの水産工場で比人就労者と会った際、フィリピン語が役立ったと喜んでいた。

 会場には社会人や大学生、主婦ら50人近くが集まった。ワークショップの団体などが現状報告をした後、一橋大学の中野聡教授が「フィリピンの歴史と今」をテーマに特別講演。比から届いた菓子を食べ、民族舞踊を楽しむなどテーマ通りのハロハロ集会だった。日系2世の就籍運動をしているNPOの事務局長も姿を見せ歓談したが、比との絆の中でさまざまな団体が地道に活動している実情をあらためて知った。 (富)

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