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1月16日のまにら新聞から

名所探訪「グリーンベルト」

[ 1262字|2005.1.16|文化 スポーツ (culture)|名所探訪 ]

脚光浴びる「緑のモール」

 生い茂る緑の木々と洗練されたレストランやショップが並ぶ、ビジネス街のオアシス││。マカティ市の中心部、アヤラセンターに位置する「グリーンベルト」はその名の通り、公園と商業施設が融合した開放感あふれる近代的なモールだ。一日にここを訪れる人の数は延べ八万人。外国人観光客や記念写真を撮るフィリピン人たちの姿も目立ち、オープンから二年で一躍マニラの人気スポットとなった。

 グリーンベルトの広さは十二ヘクタール。モールの定番であるレストランや各種ショップ約四百店舗、九つの映画館のほか、イベントホール、美術館、教会、コンドミニアムまであり、機能的な一つの「町」を形成している。モールは一から四の番号がふられた四つの建物で構成、それぞれに特徴付けがなされている。

 パセオ・デ・ロハス通りに面している「1」は日用雑貨、電化製品、書籍、スーパーマーケットなどがそろう生活志向型。これと対照的に、パサイ通りに近い「2」には高級なレストランやカフェが集められ、すぐ隣の「3」には気軽に入れるレストランやブティックなどが入っている。最近オープンしたアヤラ美術館に隣接する「4」には世界に名だたる有名ブランドの店がずらりと並び、日本人の駐在員夫人らに人気があるそうだ。日本から来た女子大生やOLの観光客は「ここはフィリピンじゃないみたい。東京にあるようなおしゃれな店やレストランがいっぱいある」と驚いていた。

 フィリピンにこれまでなかった「野外モール」という新しいコンセプトで一帯の再開発が始まったのは二〇〇〇年。アヤラ財閥傘下の不動産企業「アヤラ・ランド」が米・シアトルの設計事務所に建築デザインを依頼し、緑を融合させた斬新な建築様式のモールを建てた。

 もともとあった一・六ヘクタールの公園を三ヘクタールまで拡張、樹齢五十年以上になるアカシアやヤシの木四百四十本を残したまま、さらに二百本の樹木や花樹を植樹。公園には「ゼン(禅)」、「オーキッド」、「トロピカル」││などと名付けられた四つのミニパークもあり、買い物や食事の後にぶらりと散歩するには最適だ。

 昨年、グリーンベルト3は米国ワシントンDCに拠点を置く都市開発などの国際研究教育シンクタンク、アーバンランド研究所(ULI)が優秀な不動産開発を行った商業施設に贈る「二〇〇三年ULI優秀賞」を受賞した。この賞は世界中にある百件余りの候補地の中から選ばれた十の施設に贈られ、アジアではグリーンベルト以外に、東京と上海にある商業施設が受賞。ULIは「アジアにおける小売・娯楽開発の新しいモデル。比の文化やライフスタイル、国際レベルの小売、エンターテインメントの要求を満たす異彩の場所」と高く評価した。

 昨年末のクリスマス前には毎週末、花火の打ち上げや中央の噴水広場でミニコンサートが開かれ、訪れる人々の気分を盛り上げている。上・中流層のニーズや生活スタイルをターゲットにしたグリーンベルト。その華やかさは比のビジネス中枢、マカティ市に新しい彩りを添えた。(栗田珠希)

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