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9月25日のまにら新聞から

不当な接触追跡者の扱い 応募が少ない政府雇用

[ 769字|2020.9.25|社会|新聞論調 ]

 保健省が新型コロナウイルス感染の監視緊急対策室に雇用した接触追跡者(コンタクトトレーサー)に対する給与支給の遅れが報じられている。多くの人に3、4カ月も払われていないというのだ。

 ドゥケ保健相は先月、海外就労を求める約千人の医療関係者がいるなか、同省による医療関係者の急募に25人しか応じなかったことを受けて、愛国心に訴えかけた。フィリピン海外雇用庁(POEA)は、これに先立って国内人材確保のため、保健関連14職種の送り出しを一時停止していた。

 「我々は戦争中だ。団結しよう。助け合おう。フィリピン人を世話するのは、結局のところ私たちだ。考えを変えて、私欲を捨てよう」とドゥケ氏は呼び掛けた。立派だが、まったく空虚な言葉だ。保健省が今一番大切にすべき職員の世話をしっかりしていないのだ。

 接触追跡者の多くは、700万人の失業者を生んだ不況の中、何とか収入を得ようと危険を冒して臨時採用に応じた者たちだ。「1カ月か1カ月半だけと思ったのが、もう無給が何カ月にもなる」と接触追跡者の女性がABS―CBNのインタビューに答えた。上司からは仕事に使う携帯のロード代はあとで払い戻されると言われた。そのため借金した者までいたとのことだ。

 ベルヘイレ保健次官は遅延の理由の一つに臨時職員側の提出書類の不備を挙げているが、卑怯な説明だ。政府に資金があることは、ロケ大統領報道官が5月に明言している。コロナ対策のため政府は資金を借りまくっており、国債は今や9兆ペソに達しているのだ。台湾や韓国の例が示すように、接触追跡は対策の要だ。得た情報は、迅速な検査と治療を通して感染防止に役立つ。看護師、接触追跡者らを粗末にしながら、応募者が少ないと驚くほうがどうかしている。これ以上の給与遅延はけっして許されない。(20日、インクワイアラー)

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