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対面授業の再開検討を 報告書もとに アジア開銀

2021/5/9 社会

アジア開発銀行が比に対し、対面授業再開を検討すべきだとの考えを明らかに

 アジア開発銀行(ADB、本部・首都圏マンダルーヨーン市)は、遠隔式教育を続けているフィリピン政府について「対面式の授業に比べて効果が低く、将来の就業機会の阻害、所得の減少にもつながる」として、学校の対面授業の再開を検討すべきだとの考え方を明らかにした。

 CNNフィリピンによると、ADBチーフエコノミストの澤田康幸氏が、今月初めの国際通貨基金(IMF)とのウェビナーで、学校閉鎖の長期化と、多くの児童・生徒の遠隔学習がコンピューターやインターネットへのアクセス不足によって妨げられていることを指摘し、「現段階では学校の再開を検討すべきだと思う」と述べた。

 ▽生涯にわたる損失

 ADBは4月下旬、「コロナ禍に伴うアジア発展途上国の学校閉鎖による学習と収入の損失」と題した報告書を発表。学校閉鎖は、小中学生の認知、社会、身体、感情面での重要なスキルを奪い、生涯で身につける総合的なスキルのレベルが低くなる危険性があると指摘。将来の仕事の機会を妨げ、1人当たり年間約180ドル(約8600ペソ)の収入減につながる可能性もあるとしている。

 学校閉鎖の間、子どもたちが遠隔教育を利用しても、通学時よりも上達が遅いと親が感じているとのフランスとイタリアの調査結果があるほか、発展途上国のオンライン学習者は、先進国の学習者に比べてテストの点数が低く、退学率がはるかに高いことも分かっているという。

 ▽アジアで50万人中退

 報告書はまた、日本などを除く発展途上のアジア太平洋46カ国・地域について、コロナ禍の経済縮小が失業や所得減少をもたらしたと指摘し、1日3・2ドル(約350円)未満で暮らす貧困層が1億6200万人以上に及ぶと試算。教育費を賄えない家庭も増え、幼稚園・保育園から小中高校までの児童・生徒のうち、2020年に少なくとも50万6130人が中途退学を余儀なくされたと推計している。

 比では、新型コロナウイルス流行を受けて昨年3月以降、学校の教室が閉鎖され、生徒はオンラインとテレビ、ラジオ、持ち帰り可能な教材を使った遠隔学習に頼っている。今年初めに医療分野の大学生らに限って対面学習の再開が許可されただけで、ドゥテルテ大統領は繰り返し、対面授業再開の条件としてワクチン接種の展開を挙げてきた。(谷啓之)

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