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2月27日のまにら新聞から

シノバックワクチンあす到着 優先接種対象まだ決まらず

[ 883字|2021.2.27|社会 (society) ]

シノバック製ワクチン60万回分が中国軍機によって28日に到着することが判明するも優先接種対象がまだ決まらず

ジャーナリストのための新型コロナウイルス集団予防接種でシノバック製ワクチンを見せる医療従事者=26日、インドネシア・ジャカルタ(EPA=時事)

 新型コロナウイルスワクチンの第1陣として中国製薬大手シノバック製のワクチンを積んだ中国軍の輸送機が28日、首都圏パサイ市のビリャモール空軍基地に到着することが25日までに判明した。比政府による全国のワクチン接種プログラムが3月からいよいよ始まる見通しだ。26日付英字各紙が報じた。

 シノバック製のワクチンは、食品医薬品局(FDA)が22日に緊急使用許可を承認したことから、同社から60万回分に相当するワクチンが数回に分けて比に届けられる予定。しかし、ドミンゴFDA局長が同ワクチンの効果について「(接種者の)50・4%にしか現れない」と述べ、医療従事者や高齢者など優先順位の高い対象には使用しない方が良いと勧告していることから、比政府は中国製ワクチンの優先接種対象をまだ決められずにいるという。

 黄渓連駐フィリピン中国大使は25日、「困難な時にお互いに助け合うという中国と比との間の良い伝統だ」との声明を出し、中国政府による今回のシノバック製ワクチンの寄付を讃えた。28日に空軍基地に到着した後、通関手続きを経て、冷蔵車両でまずモンテンルパ市にある熱帯医学研究所(RITM)に輸送される予定だ。

 比へのワクチン第1陣の到着日時が決まったにもかかわらず、保健省や新型感染症対策国家タスクフォース(NTF)は中国製ワクチンの接種対象など接種実施の詳細がまだ決まっていないと発表している。一方、政府のワクチン担当責任者のガルベス大統領補佐官は3月第1週から「医療従事者への接種が始まることを期待している」とした上で、モレノ・マニラ市長が自らシノバック製ワクチンの公開接種を受けると表明したことも明らかにした。

 また、国防省は今回到着するシノバック製ワクチン60万回分のうち10万回分について、同省の職員や国軍兵士らが接種する予定だと明らかにした。さらに、比総合病院のレガスピ院長も「いかなるブランドのワクチンであれ、FDAから使用許可が出ている限り、われわれは接種する準備は出来ている」とシノバック製のワクチン接種も問題ないとの考えを示した。(澤田公伸)

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