首都圏 2月もGCQ継続へ 緩和は時期尚早と保健省
2月以降も首都圏は一般防疫地域(GCQ)に据え置かれる可能性が高い
保健省は27日、新型コロナウイルス変異種の脅威が高まっているとして、2月以降の首都圏の防疫区分を一般防疫地域(GCQ)から緩和するのは時期尚早との考えを示した。全国の新たな防疫地域区分は31日までに決定されるが、首都圏は据え置かれる可能性が高い。
28日付英字紙マラヤによると、26日に首都圏首長が集まり、専門家から新型コロナに関する現状説明を受けたが、市長らはほぼGCQの継続で意見が一致しているという。
変異種対策タスクフォースの責任者であるベルヘイレ保健次官は、新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)の会議で「変異種は新型コロナの流行地の一つである首都圏に、新たな課題を提起している。感染を地域内にとどめることが先決だ」と話している。
新型コロナの動向を監視する科学者の独立調査グループ「OCTAリサーチ」は、首都圏における感染率は全国で4%程度、実効再生産数は1月23日時点で1・08と報告。首都圏がクリスマス休暇後の感染急増を回避したと指摘した。
また、変異種の感染者が確認されているバギオ市のマガロン市長は28日、同市が2月1日から防疫規制を強化し、GCQに戻ることを明らかにした。
▽5日目に検査
一方、政府は2月1日から、入国者全員の新型コロナウイルスPCR検査を到着5日目の実施に一本化する。IATFが26日に決議し、大統領府が27日に明らかにした。
現在の規則では、入国時に空港ですぐにPCR検査を受けることが義務付けられているが、14日間の自主隔離中に、陽性になったり、発症したりするケースがあった。また、変異種が確認された国からの入国者は、入国時と5日目の2回のPCR検査が義務付けられている。
2月からはすべての入国者について、検査を一本化。入国時に感染の疑いがある場合は検査を求めるが、その他の場合は隔離の施設やホテルに直行し、5日目に検査を受ける。陰性だった場合、居住地の自治体に帰ることが可能になるが、自主隔離期間中は自治体の監視下に置かれるという。
ベルヘイレ保健次官は27日、「効率的で的確に感染者を見抜くことができるようになる。合理的な対処のために変更した」と説明している。
▽チェコも入国禁止
政府は28日から、英国型の変異ウイルスが確認された国からの外国人入国禁止対象にチェコを加えた。実施期間は今月31日までで、対象国は日本、米国、中国(香港を含む)、英国、南アフリカなど35カ国となった。(岡田薫、谷啓之)