コロナ変異種感染17人に 山岳州ボントックだけで12人
保健省によると、新たに16人のコロナ変異種感染が判明、計17人に
保健省は23日、新型コロナウイルスの英国型変異種の感染者が新たに16人判明したことを明らかにした。ケソン市在住でアラブ首長国連邦ドバイでのビジネス旅行から帰国した男性1人の感染が13日に判明していたが、これで国内の変異種感染者は一気に17人となった。24日付英字紙インクワイアラーなどが報じた。
新たに判明した16人のうち5歳と10歳の子どもを含む12人は、ルソン島北部コルディリエラ地域のマウンテンプロビンス州の州都ボントック町で感染が判明した。
同町の出身で英国に移住した一家らで、クリスマス休暇を同町で過ごすために昨年12月に比に一時帰国していた。入国時の検査では全員陰性だったが、その後、男性1人が体調不良を訴え、再検査したところ、コロナ感染が分かった。別の家族も次々と陽性が判明し、その後、変異種であることが確認された。
残りの4人はレバノンから帰国した比人2人と、ルソン島北部ベンゲット州の在住者1人、ラグナ州カランバ市の在住者1人だった。ベンゲット州とラグナ州で感染が判明した2人には渡航歴がなく、感染経路は不明という。
ベンゲット州の感染者はラトリニダッド町で隔離されており、隣接するバギオ市では検問所を設けて警官や看護師による警戒を強めている。
オッシ・ボントック町長は変異種感染の判明を受けて、同町で1月末まで2週間のロックダウンを実施すると発表した。保健省コルディリエラ地域事務所によると、この一家はボントック町に12月14日から20日まで滞在し、サガダ町など近郊の町にも立ち寄っていたという。
しかし、同事務所ではこの一家以外にはまだ変異種の感染が判明しておらず、市中感染が起きた可能性について「確実なことは言えない」としている。ボントック町での変異種感染者の判明を受けて、周辺の町や市ではボントック町への旅行を控えるよう住民らに通達を出している。
カリンガ州の州都タブク市でも、エストラニェロ市長が1月24日から2月6日まで同市でロックダウンを実施すると発表した。(澤田公伸)