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1月12日のまにら新聞から

ダム建設以外の選択肢も 首都圏の水源確保

[ 640字|2020.1.12|社会 (society)|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領は数日前、契約に面倒な条項がある場合は、中国とのカリワダム事業を見直す用意があることを声明で伝えた。

 まず最初にすべてのコストを計算する必要がある。今の政権が中国と契約する前、前政権は、事業終了後に譲渡するBOT方式で日本企業の提案を承認していた。費用は4億1千万ドル。一方で、政府開発援助(ODA)で建設される中国の費用は8億1千万ドルだ(首都圏水道局はその3分の1以下の2億4千万ドルと主張している)。建設費だけでなく、付随する経費や環境負荷も考える必要がある。大統領は演説で先住民1万人の移転費用を支払い、影響を受ける自治体にも補償を払うと明言した。

 中国の事業では、豊かな自然が残るシエラマドレ山脈の一部に73メートルのダムを建設する。国立公園と野生生物保護区であり、フィリピンワシなどの絶滅危惧種やフィリピンシカ、フィリピンヒゲイノシシなどの生息地を破壊することになる。日本の事業は環境負荷が比較して小さい。リサール州の処理施設に水をう回させるだけで、ダムの高さは7メートルだ。

 日本の事業では1日当たり5億5千万リットルの水が供給され、中国の同6億リットルと変わらない。供給量だけで中国のコストを正当化はできない。

 ダム建設以外の選択肢もある。東南アジア最大の淡水湖、ラグナ湖を水源にする案だ。水道2社は2009年から開発を進めているが、環境改善を進めることで、大きな投資なしで多くの水が得れることは明らかだ。(5日・マニラタイムズ)

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