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9月15日のまにら新聞から

せめて悪化を食い止めよ 首都圏渋滞問題

[ 647字|2019.9.15|社会 (society)|新聞論調 ]

 首都圏の渋滞は年々悪化している。ラッシュアワーや月曜、金曜、クリスマス休日前の名物だった渋滞が、今では日を選ぶことなく四六時中続く。

 渋滞問題の解決のため、車両の末尾番号規制やエドサ通りでの長距離バスの乗り降り規制、さらには抜け道として分譲地内の通過を認めることなど、数々の取り組みがされてきた。最近ではエドサ通りを南行き、その外側を走るC5を北行きの一方通行にするという案も出ているが、車の運転手や通勤者から非現実的だと一笑に付されている。

 慢性的な交通渋滞がもはや非常事態で、ドゥテルテ大統領に緊急特権を与え、超法規的な解決を仰ぐという提案について、今週議会で聴聞会が開かれた。日本の国際協力機構(JICA)は、渋滞が原因で1日35億ペソの経済的損失を被っていると試算している。

 渋滞による悪影響は、経済活動や生活に対してだけではない。救急搬送された患者が、病院到着直前に死亡するという悲劇も起きた。生きて病院に着いたものの、治療が間に合わなかった患者もいる。パネロ大統領報道官は、「運転手が抜け道を使用しなかったから」「ヘリコプター搬送という手段もあった」といったコメントを出した。事態の深刻さを真剣に受け止めているとは言えない発言だ。

 渋滞問題がここまで深刻な事態に至ったのは悲劇的だ。今すぐにせよ長期的にせよ、少しでも効果のある対策を打ち出せないのだろうか。クリスマスまで3カ月余り、少なくとも渋滞がさらに悪化することだけは食い止めてほしい。(12日・スタンダード)

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