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8月16日のまにら新聞から

警察官は贈り物を受け取るべきか 汚職防止法等の不透明な定義出

[ 798字|2019.8.16|社会|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領は国家警察の創設118周年記念式典で演説した際、警察官が市民から贈り物をもらうことは汚職に関係しない限り、問題には当たらないと発言した。「もし君たちが事件を解決し、その業績に対して家族が感謝の意を表すために贈り物をくれるのであれば、受け取ればよい」と述べたのだ。この発言に対してバナック国家警察報道官は翌日、「警察官は国民から給与をもらい自分の任務を行っているだけなので、別に市民は贈り物をする必要はない」と釈明した上で、「しかし、汚職と関係なしに贈り物をもらうのであれば問題ないとする大統領の知恵はより良い考えだ」と評価した。

 汚職防止法によれば、公務員は職務上の取引や契約を巡り、自身やその他の者のために贈り物や歩合、コミッションなどを渡すように直接的もしくは間接的に求めることは禁止されている。しかし、同法では、地元の慣習などにより感謝や友情の印として勝手に押し付けられた、少額ないし取るに足らない贈り物などを受け取ることを認めているのだ。また、公務員倫理規律法でも、職場の取引や規則に関しそれぞれの公務において、贈り物や接待、融資など金銭的な物を要請したり、受け取ったりすることを、間接的であれ直接的であれ、禁じている。しかし、やはり同法でも、取るに足らない金額の、想定していない贈り物を受け取ることは取締りの対象から除外している。

 問題なのは条項の解釈だろう。取るに足らない金額に相当する贈り物をどのように定義すべきなのか。受取人の金額査定を信じてよいのか。またその贈り物が品物でない場合はどうなのか。インドのある閣僚は次のように贈り物に関するリスクを簡潔に表現している。「政策の解釈で幅があるときにその裁量の副産物として生まれるのが汚職だ」と。こうした汚職という副産物を避けるために、私たちはもっと明瞭で詳細な規則を策定すべきだろう。(13日・スタンダード)

社会

比でようやく110万回接種 ワクチン世界格差顕著に

[ 944字|2021.4.13 ] 無料記事

【比のワクチン接種が110万回超える。世界的な流通不均衡の影響も】 政府のワクチン担当責任者のガルベス大統領補佐官は11日、中国シノバック製とアストラゼネカ製を中心とする国内のワクチン接種事業で10日までに計113万7534回分の接種が完了したことを明らかにした。3月1日に接種事業を開始して6週間ほどでようやく100万回を超えたが、欧米諸国などでの接種状況に比べるとスピードは遅い。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は9日「ワクチンの世界的な流通には衝撃的な不均衡が残っている」と表明するなどワクチン流通をめぐる格差が比にも影を落としている。  テドロス事務局長は9日、記者会見で、世界中でこれまでに供給された7億回分のワクチンのうち、87%以上を富裕国が入手しているのに対し、低所得国はわずかに0・2%の確保にとどまっていることを明らかにした。富裕国では4人に1人がワクチンを接種しているのに対し、低所得国では500人に1人しか接種できていないという。  このようなワクチン流通の格差に比も悩まされており、政府は現在まで中国シノバック製ワクチンの確保に重点を置いてきた。ガルベス補佐官は11日、比政府が購入した中国のシノバック製ワクチン第2弾となる約50万回分をマニラ空港第2ターミナルで受け取った際に、シノバック製ワクチンが今月中に計150万回分到着する予定で、5月にも200万回分が到着予定だと明らかにした。さらに6月に450万回分、7月にも300万回分が到着する見込みで、中国製ワクチンが当面、政府主導のワクチン接種事業の主力になりそうだ。  一方、同補佐官によると、ロシアの国立ガマレア疫学・微生物研究所と国防省が共同開発したワクチン「スプートニクV」の第1弾50万回分も4月中に到着する予定だ。スプートニクワクチンについては比食品医薬品局が3月18日に緊急使用許可を出しているほか、比国内で製造するための交渉も続けられているという。  また、同補佐官は11日、企業や地方自治体が政府と共同で調達契約を結んだアストラゼネカ製と米モデルナ製のワクチン計1800万回分も5月に到着する予定だとも述べている。5月以降にこれら欧米製や中国製のワクチンが予定通り到着すれば比国内のワクチン接種事業もようやく拡大するとみられる。(澤田公伸)