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12月7日のまにら新聞から

関与した税関職員の処分を 韓国のゴミ貨物不正持ち込み

[ 771字|2018.12.7|社会 (society)|新聞論調 ]

 関税局のホスピタリティーによって、フィリピンは再び先進国のゴミ捨て場となっている。2018年7月21日にレイテ州ビリャヌエバ町の港に韓国から合成プラスチック片という申告で貨物が到着した。また10月20日にもミンダナオ地方東ミサミス州タゴロアン町の港に同じ貨物が到着した。環境天然資源省が調査したところ、輸入許可を得ずに到着したこれらのゴミにはおむつや電池、電子部品や点滴などの有害廃棄物が含まれていたのだ。

 これらのゴミ貨物は有毒廃棄物や固形廃棄物の取り扱いに関する比国内法に違反していることは明らかだ。在比韓国大使館もその違法性を確認した。韓国の税関当局と環境省当局も合同調査を韓国・平沢(ピョンテク)市で実施し、さらに多くのゴミ貨物が輸出を待っている状態だったことが判明した。これらは廃棄木材や金属、残滓物などが含まれリサイクル工程も経ずに放置されていたのだ。韓国政府はできるだけ早く比に到着した廃棄物を韓国に引き取ることを約束している。

 しかし、どうやってこれらの貨物が比に到着し、税関をすり抜けたのか不思議だ。しかも、このような事件は初めてではない。実は2015年7月にもカナダから輸入された103個の廃棄物入りのコンテナが発見され、うち26個分がすでに秘密裏にルソン地方タルラック市の民間ごみ集積場に埋められたケースがあった。しかも、これらのゴミは関税局職員の要請を受けてごみ集積場に埋められていたのだ。この事件は当然、国内の政治家や市民団体から強い非難を引き起こした。

 ミンダナオ地方に今回、韓国からゴミ入り貨物が無許可で持ち込まれた事件についても関税局の担当者が責任を問われるべきだ。法律を無視してフィリピンの環境と市民の健康に悪影響を与えるこのような事件を起こした関係者は解雇されるべきだ。(1日・スタンダード)

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