上下両院、予算案を承認 現金ベース方式は不採用
上下両院、3兆7570億ペソに上る2019年予算案を承認、大統領の署名により成立へ
上下両院は8日、3兆7570億ペソに上る2019年の予算案を承認した。大統領府は承認を歓迎、今後、ドゥテルテ大統領の署名により成立する見通し。予算の議会承認が遅れたため、18年予算の再執行が続いており、インフラ整備や経済に与える影響が懸念されていた。
パネロ大統領報道官は内容について「インフラ開発と貧困削減、社会サービスの充実を優先した」と述べ、教育分野に加え公共事業省と内務自治省に全体の約4割が充てられた。
今年からジョクノ予算管理長官主導で、予算を年内に必ず使い切る「現金ベース方式」が導入された。この方式をやり玉に挙げていたアンダヤ下院議員によると、上下両院の協議の結果、撤回することで合意したという。同議員は「大統領はいくつかの条項について署名を拒否するだろう」とも述べた。
アンダヤ議員は、下院議員に対し1人当たり少なくとも1億6千万ペソの予算を割り当てられることを認めており、ドリロン、ラクソン両上院議員など5人は「違憲とされる議員向け優先開発補助金(PDAF、通称ポークバレル)」を理由に予算案に反対票を投じた。
両院委員会の報告書によると、審議の過程で計950億ペソの予算が追加された。
上下両院は9日から休会に入っており、5月の中間選挙後に再開する。(森永亨)