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「南シナ海どこでもMDT適用」 中国軍ヘリ急接近事件で米国

2025/2/21 政治

米国務省「南シナ海のどこであっても比航空機や艦船への武力攻撃には相互防衛条約が適用される」

南シナ海パナタグ礁(英名スカボロー礁)の領空で定期飛行をしていた比政府機に中国海軍ヘリが3メートルの距離まで急接近した事件について、米国務省のブルース報道官は米時間19日、中国を非難する声明を発表し、「比米相互防衛条約(MDT)は南シナ海のどこであっても、比国軍および沿岸警備隊のものも含めた公船と航空機に対する武力攻撃に適用される」とけん制した。

 比の排他的経済水域(EEZ)内に位置する同礁は、2016年の南シナ海仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)で領海を有すると判断されたが、どの国が領有するかについては同裁判所の管轄権外であるため、今も比中で主張が対立。中国が2012年から実効支配を続けており、昨年11月には領海基線を一方的に発表している。そのような同礁の空域を比政府機が航行した場合であっても、MDTを発動できることを米国が示唆した格好だ。

 漁業水産資源局(BFAR)と比沿岸警備隊(PCG)は18日、合同でBFARのセスナ機を用いてパナタグ礁の空域で監視飛行を実施。その際に中国ヘリはBFAR機に3メートルの距離まで接近し、40分以上にわたり比航空機を追尾した。19日の会見でPCGのタリエラ報道官は「中国が行った危険行動のレベルでいえば、われわれにとって最も危険なものだった」と強調。「過去の妨害行動と比べてエスカレートしているという意見には同意する」と述べた。

 今回の声明で米国務省は、「同盟国フィリピンと共に、米国はスカボロー礁付近での比の活動を妨害しようとした中国海軍の危険かつ無責任な行動を非難する。中国軍ヘリは定期飛行を行っていたBFAR機と乗組員を危険にさらした」と非難した。

 さらに、「これは、2月11日に南シナ海で定期哨戒を行っていた豪州機を中国機が危険にさらした事件に続いて起こっている」と指摘した。豪州政府は13日、南シナ海を哨戒中の豪空軍哨戒機「P8ポセイドン」に対し、中国の戦闘爆撃機「機殲撃十六型」がフレア(火炎弾)を発射したと発表。マーレス国防相は「重大な損害を受ける可能性があった」として非難していた。

 米国務省は「このような中国の見境ない行動は、南シナ海における航行と上空飛行の自由に対する脅威だ」として上で、「われわれは自由で開かれたインド太平洋を堅持するため、同盟国・パートナー国への支援を続ける」と宣言した。

 カールソン駐比米国大使も19日午前にX(旧ツイッター)で、「フィリピンの航空任務につくパイロットと乗組員を危険にさらした中国海軍機による危険飛行を非難する」と声明を発表した。

 それに対し、在比中国大使館は「米国大使は事実を無視し、真実をわい曲し、中国の合法的な海洋権益保護活動を不当に非難するとともに、誤解を招くような言説を流布している」とのコメントを記者団に発表。 「挑発行為やでっちあげの事件を通じて、フィリピンに不当な領土主張をするようあおるような言葉や行動は、必ず無駄になる」とした。 (竹下友章)

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