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忌まわしいラベル表示 比は中国の属州ではない

2020/8/28 社会

 政党リスト制の「英雄的運動選手の力」党のジェリコ・ノグラレス下院議員が、ヘアコンディショナー「アシュレイ・シャイン」の国内販売禁止を貿易産業省に求めたのに続き、マニラ市のイスコ・モレノ市長もこのたび法的措置を取った。

 今週初め、この輸入品の写真がソーシャルメディア上で急速に拡散した。写されたラベルには会社住所として「中華人民共和国マニラ州サンニコラス地区サントクリスト通り707」と書かれていた。

 ロケ大統領報道官は「ラベルの誤表示で単なるばかげたこと。こうしたことは初めてではない」と、この問題をやり過ごした。

 「中国フィリピン州」と表示されたジオタグが今年5月、ソーシャルメディアに現れ、比人の怒りを買った。2018年7月に「ようこそ中国の州フィリピンへ」の垂れ幕がマニラ市の歩道橋に掛けられたのも記憶に新しい。ドゥテルテ大統領が同年、「中国は比を自国の領土にしたらどうだ」と軽口を叩いて、国民のひんしゅくを買った。

 ノグラレス議員は、今回のラベル表示問題について「この事件を調査し、製造業者と輸入業者をブラックリストに載せるべきだ」とした上で「中国の製造業者は意図的にやったのかも知れない。法的思考力があるなら、主権侵害を図るいかなる行為も重大、迅速に受け止めるべきだ」と強調した。

 モレノ市長は自らが一時閉鎖を命じた化粧品会社「エレガント・ヒュームス・ビューティー・プロダクト」について、捜査して容疑が固まれば刑事訴追するよう今月20日付書面で国家捜査局に求めた。

 1億1千万国民の多数のいらだちと怒りに心動かされない政府高官がいることを悲しく思う。弊紙は、この忌まわしいラベル表示への嫌悪を国民と同じくする。(22日・スタンダード)

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