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イメルダらが勝訴し続ける訳 マルコス不正蓄財裁判

2018/9/28 社会

 コラソン(コリー)・アキノ政権下で法務局長だった故フランク・チャベスが原告となりイメルダ・マルコスらマルコス一家を相手取り不正蓄財の返還を求めた訴訟の最高裁判決が6月27日に下された。つい最近公表されたばかりの判決で最高裁は、チャベス側の訴えを退けたマニラ地裁や控訴裁判所の判決を支持した。イメルダ・マルコスらマルコス一家は不正蓄財裁判で再び勝訴したのだ。マルコスの不正蓄財疑惑では海外預金口座に数百万ドルの資金が不正に預けられているなどとして32件の訴えが出されたが、いずれもマニラ地裁は訴えを退けた。

 コリー政権は実は米ニューヨークの地方裁判所でまず不正蓄財に関する提訴を行った。政権側は飛行機2機分の証拠書面をニューヨークに運び入れ、当時、大きな問題となっていたスービック米軍基地などの継続使用を認める協定批准への政権側の支援などもちらつかせて裁判に臨んだ。しかし、米国地裁は比の裁判所で審理すべき案件として門前払いした。

 この敗訴を受けコリー政権は大統領府行政規律委員会(PCGG)と共同で比の裁判所に提訴する。筆者はこれまで、どうして比政府や同委員会はマルコス一家を相手取った裁判で負け続けているのかと不思議に思ったことがある。マルコス大統領が何十億ドルもの資金を盗んだという黄色い都市伝説は根強いが、裁判所で二つのアキノ政権は証明できていないのだ。

 マルコスが巨額の公金を盗んだのなら、いったいどこからどうやって盗んだのだろう。特定の政府役人が公金を横領したというなら、その公金はどこからどのように盗まれたのかを証明しなければならない。日本軍戦犯が隠した財宝と同じレベルの話ではないはずだ。実際、マルコスは公金を盗んではいない。むしろノイノイ・アキノこそ支出促進プログラムという政策の下で数千億ペソもの公金を消失させたのだ。(25日・タイムズ、イェン・マカベンタ)

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