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ハロハロ

2012/8/13 社会

 イスラム教の聖なる月「ラマダン」(断食月)がこの日から最終週に入った。日の出から日没までの間、断食を続ける同教徒たちは今、体力的に最もきつい状況にある半面、1週間後に迫った「レバラン」(断食月明けの大祭)を前に、断食を通じた確かな信仰心を感じている。静岡県伊東市に住むインドネシア人の友人、ヤディさんもその1人。とはいえ、今年のラマダンは例年とは違ったものになっている。

 断食の厳しさを分かち合い、共に祈ってくれてきた妻ナニさんが昨年暮れ、出産のため西ジャワ州バンドンの実家に戻り、今年は「孤独な断食月」を余儀なくされているからだ。日の出前の食事、日没直後のその日の断食明け飲食を1人で済ませる日々が続く。滞日12年目を迎えたが、「1人だけのラマダン」はこれが初めての体験。

 「きつさが増しますね」と流ちょうな日本語で話すが、ヤディさんの言葉にどこか余裕がうかがえる。「(4月に誕生した長男)アキラの存在が励み」になっているのだ。ヤディさんはほぼ毎日、コンピューターでナニさんと交信、成長する長男の姿を画面で目にできるという。親子3人が日本で暮らせる日の到来を夢見ながら、ヤディさんは今、篤い信仰心を胸に「孤独な断食月」を乗り切ろうとしている。(道)

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