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ハロハロ

2003/9/8 社会

 今年は落語家の古今亭志ん生が死んで三十年になる。一九五〇年代後半、寄席に通いつめた。当時は志ん生、文楽はじめ円生、正蔵(のち彦六)、柳橋、三木助、小さんなど聞き応えある噺(はなし)家がわんさといた。しかし、志ん生の人気は群を抜いていた。

 若手で売りだし中だったのは歌奴(現円歌)、三平などで、にぎやかな舞台だった。二つ目でうまいと思ったのは小ゑん(現談志)。小金治もうまかったが、テレビで忙しかった。そのうち個人的には落語より講談の魅力に引かれ、本牧亭に足を運ぶ機会の方が増えた。最近、亡くなった芦州が麟慶を名乗っていたころだ。

 志ん生の芸はやはり、寄席で聞くに限ると思った。最近、CDやテープで聞く機会があったが、志ん生、柄にもなく頑張っているという印象が強い。一杯引っかけてきたと思わせる赤ら顔で高座に上がり、長屋の酔っ払いもの「替わり目」などやるといかにもこの人らしかった。とぼけた味があり志ん生の真骨頂だった。亡くなったのは秋のお彼岸だった。(紀)

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