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新聞論調

1999/7/12 社会

The Tone of the Press

罪の告白と悔恨を

イメルダ夫人の「復活」

 七十歳の誕生日を祝ったイメルダ・マルコス元大統領夫人は、「マラカニアン宮殿にいたときのよう」と祝宴を楽しんでいた。その言葉通り、目に余る絢爛(けんらん)さや浪費などかつて彼女が享受したすべてが、会場にあった。

 豪華なドレス、大きなダイヤモンドを散らばめたネックレス、手首や耳などで輝くルビー……。批評家たちは、最高級ホテルを舞台にした祝宴を「アイアン・バタフライ(鉄の蝶)の第二の変態」と表現した。

 エストラダ大統領が公務を理由に、祝宴に顔を見せなかったのは賢明だった。ただ、大統領の姿が会場になくても、出席者はその存在を強く感じていたはずだ。なぜなら、大統領の協力と賛意なしでは、このような「どんちゃん騒ぎ」は決して実現しなかったから。

 会場の一つ、マニラ・ホテルの一室から姿を見せた夫人は、現在の状況を如実に物語っていた。その部屋にはかつて、マッカーサー将軍が滞在していたが、彼女もまた「アイ・シャル・リターン」という言葉を実現してみせた。

 アキノ政変や不正蓄財などをめぐる判決とは裏腹に、マルコス一族は反省の色もなくごう慢であり続けている。夫人らは「何も盗んではいない」と言うが、不正蓄財の返還を義務づけた判決や人権被害者の存在を忘れてはいないはずだ。

 今、不正蓄財の配分交渉が大詰めを迎えているが、大切なのは、この悲しい物語の幕を下ろす「けじめ」だ。けじめとは罪の告白と悔恨。これがない限り、国民に許しをこうことは決してできない。(5日・インクワイアラー社説)

販売開始から11件発生

バイアグラ強奪事件

 七月に入って、国内最大の薬局チェーン「マーキュリー・ドラッグ」の店舗が相次いで襲撃された。犯人グループが奪ったのは、性的不能治療薬、バイアグラ。

 国内販売が始まった昨年暮れから、同チェーンのバイアグラを狙った強奪事件はすでに十一件に上っている。国民には井戸端会議の格好のネタを提供しているかもしれないが、当の経営者はたまったものではないだろう。

 バイアグラの小売価格は一錠四百五十ペソ。フィリピン人男性は、これを半分、または四分の一の大きさに割って服用しているようだ。そのような小さな「破片」でも百十三ペソ、庶民にとっては決して安いものではない。強奪事件が絶えないのは、正価より安い価格で買いたいという男性が少なからずいて、彼らを対象にした「ヤミ市場」があるからだ。

 警察の調べでは、犯人グループはいずれも短時間で、バイアグラがある場所を突き止めている。チェーン店内部に協力者がいることは明らかだが、警察の捜査はほとんど進まず、それが事件の多発につながっている。

 五年ほど前、警察官が銀行強盗団十一人を「処刑」するクラトン・バレレン事件があった。十一人の命と二百万ドルの現金は失われたが、この事件を契機に銀行強盗が減ったのも事実だ。警察が強力な武器と洗練された装備で身を固めて事件を「解決」すれば、バイアグラ強奪事件もやむと思うが、警察側の意見を拝聴したいものだ。(6日・スター社説)

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