ラグナ州サンタロサ市で19日未明、日本企業に務める邦人2人が滞在する住居に黒ずくめの人物がドアを壊して侵入し、被害者が寝ている横で部屋を物色、クレジットカードやパソコン、スマートフォンなどを盗んだ。国家警察ラグナ本部サンタロサ署が、まにら新聞の取材に対し明らかにした。
住居侵入窃盗の被害に遭ったのは、工業団地・ラグナテクノ―パーク近くの分譲住宅地内に立地する、日本企業が借り入れている住宅。同住宅には裏口があり、犯人は同日深夜2時半ごろ、裏口の二重ドアの格子部分(または網戸部分)を壊して侵入した。
同住宅には邦人従業員2人が別々の部屋に滞在していたが、自分の部屋のドアに鍵をかけていなかった42歳の邦人エンジニアの男性=1カ月前から滞在=の部屋に、黒いシャツと黒いマスク姿の犯人が入り、5万7000ペソ相当のノートパソコン、日本円の入った財布、パスポート、2万7000ペソ相当のスマートフォン(アイフォンSE3)、クレジットカード、銀行カード、健康保険証を盗んだ。
犯人が室内に侵入したとき被害者は寝ていたが、電気はついていた。物音で目覚めた被害者が、黒い人影に驚いて大きな声を上げると、犯人は逃走した。
同警察によると、ドアの破壊を伴ったため、フィリピンの刑法では強盗扱い。男性はパスポートの再発行の必要な紛失・盗難証明書(ポリスレポート)を請求し、発行を受けたが、21日時点で刑事事件化に必要な被害届(刑事告発状)の提出はしていないという。
男性が所属する企業は被害届の提出を望んでおり、警察は日を改めて刑事手続きを説明し、提出を促すとしている。周辺の監視カメラの映像は日本企業が管理しているため、警察は現在映像の提出を求めている。(竹下友章、ロビーナ・アシド)