公益財団法人社会貢献支援財団(FESCO、会長・安倍昭恵氏)は13日、東京・帝国ホテルで「受賞者懇談会」、翌14日には「第63回社会貢献者表彰式典」を開催した。今回の第63回社会貢献者表彰にはフィリピンで活動するNPO団体を多数含む国内外から30の個人・団体が選ばれた。
表彰式典冒頭、安倍会長は「今年も受賞者の皆様に直接お会いできることを楽しみにしておりました。皆様の活動は私たちに新たな発見や気づきを与えてくれます」と挨拶。安倍会長は2010年から同財団会長を務め、国内外の受賞者の活動現場を積極的に訪問しており、今年4月には秋田県、5月にはカンボジア・タイで現地の受賞者の活動を視察したエピソードを紹介した。また式典では、財団を支援する日本財団の尾形武寿会長が登壇し「社会のあらゆる課題に取り組む中、障害者や子ども、高齢者、災害対応に注力している。受賞者の皆様の活動に深く敬意を表したい」と祝辞を述べた。
この日は、フィリピンに関わる団体の表彰もあった。特に、4月26日に本紙記者がビデオ撮影に同行した「NPO法人ICAN(アイキャン)」の活動紹介ビデオが会場で上映された。アイキャンは1994年よりフィリピン・マニラのゴミ山パヤタスで、路上生活の子どもたちの支援を開始。現在は児童養護施設の運営や教育支援、職業訓練などを通じ、子どもたちの自立支援を行っている。
このほか、夫やパートナーからのDV被害を受けた在日フィリピン人女性の支援を行う「カラカサン~移住女性のためのエンパワメントセンター~」(川崎市)や、日本人とフィリピン人との間に生まれた「ジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレン(JFC)」への法的支援・人権擁護活動を30年以上続ける「NPO法人JFCネットワーク」、8月に予定される残留日本人二世の一時帰国に併せてNPO法人「フィリピン日系人リーガルサポートセンター」(PNLSC)とシンポジウムを共催する予定のNPO法人「無国籍ネットワーク」も受賞した。
社会貢献支援財団は、1971年に日本顕彰会として設立され、「社会のために尽くしながら報われにくかった個人や団体を顕彰し、その活動の支援や発信を行う」ことを目的に、2001年に現名称へ、2010年には公益財団法人へと改組された。主な事業は「社会貢献者表彰」で、推薦・選考を経て現在は年2回、個人・団体を顕彰している。これまでに1万2000人以上を表彰し、その功績に感謝して労をねぎらい、活動を支援してきた。(同団体のホームページは「https://www.fesco.or.jp/」(青柳一臣)